子育ては「しんどい・辛い・大変」の3拍子!疲れた時イライラしない暮らし方

赤ちゃんが生まれた途端、徹底的に家の中をきれいにする人がいます。
「赤ちゃんには感染症が危ない」という情報を仕入れたことで、消毒を心がけるうちに、家全体にそれが広がり、家中ピカピカにしないと気が済まなくなってしまう現象です。
赤ちゃんのお世話だけでも忙しい時期。
それなのに朝からトイレの掃除をし、床は消毒液でふき、ホコリ1つ許さない徹底ぶりのよう。さらに、哺乳びんなど、赤ちゃんに触れるものの消毒も欠かしません。
母乳を与えるときは、自分の体を汚いもののように扱い、消毒棉でふいて、赤ちゃんの口にふくませる。
これらのことは産婦人科などで教わることでもあり、育児書にも書かれていることでもあります。
でもね、よく考えてみてください。
こういう暮らし方は、赤ちゃんの周辺を整えることばかり気にしていて、肝心の赤ちゃんと目を合わせ、会話することを忘れているのです。
おむつを取り替えるとき、
「いっぱいうんちしたねぇ」
と話しかけたり。
ミルクを上げるとき、
「いっぱい飲むねぇ。おいしい?」
とか言っていますか?
まさか!こんな会話を楽しむよりは、全てのお部屋を掃除して、洋服を洗濯して。その間に離乳食を作って、洗濯物をたたんで・・・など、まわりのことで走り回っていませんか?
赤ちゃんがいるからこそ、家の中はきれいにしたいという思いも大切です。
でも、赤ちゃんを見つめず、他の家事のことばっかり気にしているところに問題があります。ただ、赤ちゃんが泣きだせば何よりも優先してそっちに走る。だけど、眠っている時や、きげんよく一人で天井を向いているときは、赤ちゃんを放り出して家事に追われているというイメージです。
核家族での子育ては、お母さんひとりに全てがかかってくるから、赤ちゃんとのんびり向かい合う時間が少なくなるのも当然です。
しかし、理由はそれだけでもないようなのです。
どちらかというと、「外は汚い、家は清潔」という先入観から、赤ちゃんが生まれたとき、「子どもの育つ環境を完璧に清潔を保たなければならない」という強い思い込みに発展してしまうのです。
これは受験勉強の後遺症ではないでしょうか?
受験勉強はそれまでの人生で、結果が分からないことに挑戦する初めての体験。どこまで勉強すれば、合格するのか、判断は確実にはできません。だから、できるだけ幅広く、できるだけ緻密に、受験科目のすべての範囲を完全にマスターして完璧を目指した。
赤ちゃん育ても同じです。
こうすればこうなる、ここまでやれば大丈夫なんて確信は全く持てません。受験勉強のあとの人生で、久しぶりに出会った結果の分からない存在です。
赤ちゃんに対してもは絶対に失敗しないようにという想いから、優等生だった人ほど頑張りすぎるのです。
もちろん受験勉強と子育ては全く違うことは、頭ではみんな承知しています。しかし、心と体は今ここで頑張れば何とかなるという信念に支配されて、ついついひとりで頑張りすぎてしまう。
こういう方法論の大きな間違いは、赤ちゃんは生きている人間なのに、自分の頑張った結果が必ず赤ちゃんの成長という形で目に見えるはずだと思いこんでしまうことです。頑張って勉強すればテストの点数はあがります。それと同じように、私が頑張れば、この子が「いい子」になるはずと思いこんでしまうところです。
子育ては親が親の発想でどんな完璧な準備をしようと、決して思い通りにはいきません。それは赤ちゃんが未知の生き物だからです。どんな感性と、どんな性格を持って生まれてきた人間なのか。赤ちゃんの時に、私たちには分かりません。
未知の生き物であるということは、その子にどんな準備をすればいいかも分からない。分からなくて当たり前ということです。きちんと管理して、美しい環境で育てなければと肩に力をいっぱい入れて育てても、少々汚いけれど子どもの目を見て、子どもと楽しく語り合いながら生きる、大らかな母親にはかないません。
子どもは自ら育つものです。私たち親は、その手助けをしてやればいいだけ・・・。
赤ちゃんの時は衣食住が与えられ、とにかくかわいがってもらえば十分なのです。
では、受験勉強をあまり体験していない人たちは、大らかな子育てができているでしょうか?
現実はそうでもないようです。学歴を持たない親たちは「知識がない」ことをコンプレックスにしてしまい、「私は学校もでていないし、子どもをうまく育てられません」という相談をしてくる人がいます。
子育てで必要なことは受験勉強の経験ではなく、もっとシンプルに子どもと一緒に暮らしを楽しむことでいいんです。
- 子どもといっしょに散歩して、きれいな花があったら二人でしゃがみこんで「きれいだね」って言う。
- 子どもがボールを投げてきたら投げ返してやる
- 子どもが話しかけてきたら、手を止めて、目を見て話を聞く
それだけでいいんです。今しかできない赤ちゃんとの暮らしを楽しまないなんてもったいない。キラキラ輝く赤ちゃんや子どもの目をよく見てあげてくださいね~。