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トカイナカに暮らす②~趣味を堪能する人々~

 
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長楽さつき
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トカイナカ日記の続きです。前回、読まれていない方はコチラをご覧くださいね!

 

『トカイナカ日記4日目』自然の風景が残る庭

私たちがトカイナカの家を選んだのは、都心で仕事をしながらも、生活に必要な食材、日用品、服飾品などは手近で買い物をすますことができるからである。家の建築もそれぞれであり、私たちのように釘を使っていない工法で建てられたものもあれば、普通の住宅もある。なんせ隣の家と離れているので、多少、子供たちが騒いでいても、温かい目で見てもらえる環境がありがたい。

 

そういうことを私は、夫の転勤で静岡にいたときに経験ずみだった。つかず離れずの顔が見えるトカイナカには、土に根が生えたような落ち着きがあり、四季折々の自然の風景を楽しめるので飽きない。そういう風土は簡単には育つはずがないことを、住んでみてはじめて実感した。

 

前の住人が植物好きだったので、庭には野ばらやツバキ、山椒の木、ふきなどが、四季を通じ咲き乱れていた。裏庭にはミョウガ、タケノコなどが自生し、傾斜面にはケヤキやシュロが立ちはだかっている。野鳥もたくさんいる。一番多いのはシジュウカラだが、ウグイスやヒヨドリも見かける。

 

そのほか、名前も知らない野鳥がたくさん飛んでくる。おそろしい勢いで窓にぶつかって、目を回して墜落する鳥もしばしばいる。

 

そんな手つかずの荒れ果てた土地を、私たちはせっせと開拓し、家庭菜園ができる庭にした。夫は週末、畑仕事に熱中し、自分で作った野菜の美味しさを堪能する。その横で、私は雑草を一本残らず取り終わり、さわやかな気分を味わう。原稿を書き終わったときの爽快感と似ている。庭仕事は頭を真っ白にできる時間で、五感にしみわたる満足感をおぼえる。私には健康になれるスポーツのようなものだ。

 

『トカイナカ日記5日目』趣味を堪能

私は3歳からピアノを習っている。トカイナカに住むまでは住宅事情もあり、電子ピアノにしていた。ここに住んで、アコースティックピアノを家の中で弾いた時は、非常に感動したことを覚えている。2週間に1度、オンラインで稽古は続けている。こういう社会情勢だからこそ、基礎からやり直そうと練習曲から教えて頂いている。練習曲を丁寧に取り組むと、あらが見えるからである。あらと向かい合うことで、自己修正していく過程が好きだ。

 

もうひとつ、トカイナカに住んでから始めたことがある。『むとと・かきもの』を開業したこと。このような恵まれた環境の中で、生まれてはじめて自分で発信した結果、お客様からいただいたお金を手にした時はうれしかった。銀行振込であったが、今も使わずに大事にとっている。

 

トカイナカに暮らしてよかったのは、かかりつけのお医者様が見つかりやすかったことだ。子供たちがアレルギー持ちだったので、我が家の方針と合う、お医者様が近くにいらっしゃることはありがたかった。こちらの話をよく聞いてくださったうえで、必要な薬を適量だけ処方してくれる。あとは日にち薬というか、自然治癒の流れも取り入れた体の負担のない治療方針の医院が数多くある。おかげで、青年になった今、好きなことを追求できる健康な体に育っている。

 

以前にも書いたように、我が家はホームパーティーが好きだった。このような社会情勢になり開催できないことが残念だが、ふだんなかなか会えないような人たちも、なつがしがって訪ねてくれるのが楽しかった。現在、偉大な人物になられているような方まで、私の手料理を介して話が弾んだ。いつか再開できる日が待ち遠しい。

 

『トカイナカ日記6日目』近所の人たちから学ぶ

トカイナカには老若男女がバランスよく住んでいる。近所の人たちを見渡す限り、趣味を堪能している人が多い。

 

家の隣の60代夫婦。夫の方はひまさえあれば、車いじりと家庭菜園。これだけ聞くと、都会にもいると思うかもしれない。トカイナカの住人は凝り性なので、家庭菜園といっても本格的な耕運機をお持ちなのである。車いじりといっても、見たこともない海外のメーカーの車が外に2台。車庫に2台。この車は動かすためのものではなくて、おじさんが部品をいじったりして、見て楽しむだけのコレクションなのである。一方、おばさんは書道家。2階にいつも何人ものお弟子さんが出入りする。このお隣の住人は、ここが別荘で、本当の家は車で5分ほどのところにある。

 

その隣の80代のおじいさん。足腰も弱くなっているが、いまだに大型トラックを動かして仕事をしている。休日は赤紫色の自家用車もしくはサイドカーつきのキラキラバイクで、さっそうとドライブに出かけていく。

 

近所づきあいというのは、はじめは誰でもうまくいくが、長くなると難しく感じる人もいる。人間同士の付き合いというものは、お互いに難しくなったとき、はじめて本当の付き合いが始まるのではないかと思う。私にとっては、つかず離れずのトカイナカの住人との交流が、なくてはならないものとなりつつある。

 

続きは、次回に!

 

 

 

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