自宅でピアノ教室を開業する先生の経営が安定しない3つの理由

ピアノ教室を開業するのに、特別な免許や資格、届け出などは必要ありません。
ピアノが弾ければ「ピアノ教室の先生」と名乗ることはできるのです。音大を卒業していようがいまいが、習いたいという生徒さえいれば、あなたは今日から立派なピアノの先生です。
しかし、子どもの数が減っているにもかかわらず、ピアノ教室は増え続けています。
音大を卒業していても生徒が集まらず、開店休業状態のピアノ教室も・・・。一方、薄利多売でレッスンをしている先生は、集客できていても、時間にばかり追われて、さほど稼げていません。
それよりも音大卒の学歴も、音楽関係の職歴がなくても、集客できる動線をきちんと作っている先生は、レッスン単価を高めに設定していても、教室経営が安定しています。
というわけで今回は「自宅でピアノ教室を開業する先生の経営が安定しない3つの理由」について書きます。
自宅でピアノ教室を開業する先生の経営が安定しない3つの理由
首都圏では、ピアノを習いたい生徒の数に比べて、教えたい先生が余っているのが現状です。
子どもの数は減っているし、習い事はピアノだけではないので、先生がピアノを弾くこと以外の努力をしないで、生徒が集まる時代ではありません。
生徒がいなければピアノ教室は成り立ちません。
それでは、ピアノ教室の経営が安定しない理由について、お話していきましょう。
1.サイト運営がいい加減であること
ピアノ教室のHPと、他の習い事のHPを見比べてみてください。
ピアノ教室のHPは、明らかに時代遅れのサイトが多いのです。「そんなの見ても分かんないよ~」っていう方は、読み飛ばしてくださいね!
- アメブロでブログを書いている(著名人ならOK)
- WPでHPを作りなおしているのに、アメブロを残したままである
- たくさんリンク切れをおこしている
- 写真がピンボケである
- 意味のないリンクが無駄に多い
- 昔と今のブログ発言内容が変わっているのに、昔のブログを削除していない
- スケジュールが更新されていない
などなど・・・
ざっと書いただけでも、こんなにいっぱい気になるところがあります。
せっかくHPをもっていても、一番最初に作ったときのままになっている先生が多いのです。
HPやブログは育てていくもの・・・
育てていく気がないのであれば、ポータルサイトに登録しておくだけのほうがメリットがあります。
放置しているHPやブログは、SEO的にもよくありません。
Googleの評価が下がってしまうこともあります。
サイト運営をきちんとしているだけで、「ちゃんとしたピアノの先生」「きちんとした仕事をしてくれるピアニスト」とみなされ、雑誌や書籍の執筆・取材依頼や講演活動につながることもあります。
もちろん、演奏活動だって、自分で営業しなくても、HPが自動で営業してくれるので大助かり!
2.薄利多売にしていること
月謝の設定は、最初が肝心です。生徒さんが集まってからの値上げは難しいから・・・。
私は教室運営する先生には、「月謝は自分が教えていてイヤにならない金額」を設定するように指導しています。
いただく月謝が高くても安くても、先生がレッスンにかける準備や労力は一緒です。
やる気がでないような金額設定にしてしまうと、集客はできますが、長い目でみたときに時間にばかり追われ、心の余裕がない先生も存在します。
少し強きに思えるような金額設定は、集客までの時間はかかりますが、先生がきてほしいと思う生徒さんがきてくれるようになるので、教室運営もラクです。何よりもレッスンの時間が、先生自身が楽しくてしようがありません。
そもそも月謝全てが、手取り収入にならないと知っていましたか?
ピアノ教室を運営していく上で、欠かせない出費ってあります。
ピアノ教室の出費とは?
- 新しく発売されたピアノ教本を研究するための購入代金
- 指導法の勉強会への参加費用
- ピアノの先生へのレッスン料
- ピアノや教室のメンテナンス費用や光熱費
このような必要経費を支払った上で、手元に残ったお金がピアノの先生の収入です。
「経営が安定したピアノの先生」になるためには、これらの支出を上回る収入が必要です。
全てはあなたの経営センス次第。音大で習ってきたピアノのスキルとは全く別物なので、教室運営について学び直しすることで伸びていく教室も増えていくことでしょう。
私自身は20年以上フリーランスで仕事をしてきていますが、単価高めで、少数精鋭の仕事の仕方をしていきているので、おかげさまで時間に追われず、黒字の運営することができています。
ぜひピアノ教室の先生にも、こういう経営をしていってほしいなぁと思っています。
3.ピアノの先生が生徒を選ぶホームページ作成ができていない

驚いたかもしれませんが、ターゲット設定することはビジネスの世界ではふつうのこと。
ピアノ教室でも先生が「どんな生徒にきてほしいのか?」を最初にきちんとイメージトレーニングすることが大事です。
かなり細かいところまでイメージします。
これを専門用語で「ペルソナ設定」といいます。架空の顧客像を設定すること。
つまり、あなたがきてほしいと思っている一人の架空の生徒を想定するのです。その人のプロフィールを考えていくときに、行動や価値観、ライフスタイルなど、かなり詳細に設定していきます。
あなたが考えたペルソナに対して、あなたしか提供できないピアノ教室の強みをアピールします。そこで初めて、他の教室との差別化がはかれるのです。
ペルソナがはっきりしていると、自分が思っているような生徒が不思議と集まってくるのです。あなたの価値観に合う生徒さんが集まるので、トラブルやクレームも少なく、長くピアノを続けてもらえる教室となることでしょう。
長く続いているピアノ教室は、教室のしっかりとした理念があります。「軸」があるピアノ教室は、末長く安定した経営を維持していくことができるでしょう。
まとめ
ピアノのスキルを磨くことと、自宅で音楽教室を経営するスキルは全く別物です。有名な音大を卒業したり、コンクールで優勝した経歴をもっていても、音楽教室を経営するスキルが低ければ、自転車操業となります。音楽教室の経営は、ピアノのスキルと経営スキルのバランスがいいことが一番ですね!