子育てに自信が持てないお母さんへ!疲れて子どもがかわいいと思えない

子どもを育てるお母さんからの悩みで
「子育てに自信が持てません。どうしたらいいですか?」
ということを聞かれることがあります。
たくさんのお母さんとお話する中で、子どものときに母親から聞いた言葉が原因となっている、お母さんが多くいることが分かってきました。
例えば、子どものあなたから見た時に、両親の仲が悪い場合。
中学生になったころ、「うちの母親は、どうして仲が悪い人の子どもを産んだんだろう?」と疑問に思い始めます。それは子どもにとって寂しいことで、自分という人間は、この両親の間で「仕方なく生まれた」存在のように思えているのです。
ただ、これだけで子どもは自信までなくしません。
子どものあなたは勇気をふりしぼって母親に
「お父さんとそんなに仲が悪いなら別れたらいいんじゃないの?」
と伝えます。その時、母親は
「でも、あなたたちがいるから別れられない」
と答えます。
このとき、母親が本気で言っているならいいのですが、この言葉にウソがあるとき問題が起きるのです。見た目は仲が悪くても、母親が父親を愛している場合もあるから。
思春期の子どもが、こんな風に言われると「そうか、お母さんの幸せを奪ってきたのは子どもなんだ。だからお母さんを私が幸せにしてあげなきゃいけないんだ」と理解してしまうのです。
実は、ここが問題であって「子ども自身が自分の幸せを願うのは罪だ。私はどうなっても母親を幸せにしてあげなきゃいけない」とまで考えてしまう子がいるのです。
本来、子どもにこんな風に考えさせてはいけません。
子どもが自分の楽しいことを否定して育つということは、その人間に自信が育たないからです。
それじゃあ、母親は子どもに何といえばよかったのでしょうか?
子どもには素直に「あんなどうしようもないお父さんだけど、私は好きなのよ。ごめんね、だから別れられないの」と。
そんなふうに言ってあげると、子どもは「そっか。ケンカばかりしているけど、私の両親は愛し合っているんだ。それなら私は私で好きなところに飛び立てる。幸せになっていいんだ」と思えるのです。
でも、この事例のような言い方をする母親は多くて、娘として大人になっても自信が持てず、苦しみを負って生きている人たちが、わりとたくさんいるのです。
自分の親との関係を、自分の中できちんと整理してみよう
「子どもがかわいくない」「子どもの声にイライラする」「ついカッとなってたたいてしまう」などの悩みがある人にやってほしいこと。
それはは、まず「あなたは自分が子どもだったころ、お母さんに対してあるいはお父さんに対して、何かさみしい思い、くやしい思いを抱いたことはなかったかどうか」を思い出してみてください。
自分の子どもを愛せない・・・そういう自分を責める前に、自分の生い立ちを少し客観的にたどり直してみることがおすすめです。
そうすると、自分が子どものころ禁じられていたこと。それを、我が子がやろうとすると、時代が変わっているにもかかわらずやっぱり許せない。そんな思いがあることに気づくかもしれません。
また、自分が親から殴られて育ち、殴られた理由に納得がいっていない人は、やはり我が子に同じ場面で手を上げることが多いよう。
これからのことから、母子関係がすべての問題の源ととらえないでくださいね。
私が言いたいのは、子どもを愛せない自分を、子どもを産み育てている人自身が背負い、悩むということをやめて、もっと楽に暮らしてほしいということ。
自分がイライラしたら、「その原因はどこにあるのか」を目の前の幼い子どもにイライラをぶつける前に、自分の育ってきた過程、社会、時代を点検しながら見つけ出してほしい。
その思考のプロセスが「子育てに自信が持てない」を解消することにつながります。
「私」を見つけ出し、一度しかない人生を「私」がどう生きるか?
「私」を見つけ出し、一度しかない人生を「私」がどう生きるか?
ここがきちんとしていないと、子育てだけでなく、暮らし方そのものまで崩れてしまう時代となりました。
自分の母親たちがしてきた子育てとは、ここが違うところ。現代では、女性が「私」を持つことで、「子育て」も昔とは全く異なる存在として、女の人の一生の中に位置づけられるようになったのです。
いつの間にか結婚して、気が付いたら子どもができていた時代ではなくなりました。
「子育てに自信が持てない」自分を、どうか嫌いにならないでください。そのことを、周りのみんなに勇気を出して話してヘルプサインを出してください。ひとりで悩んで、ひとりで解決しようとしないで・・・。子育てはひとりでやれるほど、生易しいものではないのですから。
私の子どもたちも成人しましたが、本当にたくさんの人にヘルプサインを出したことで大きくなりました。それでも子育てが大変だなと感じたときは、家事が楽しめたことで逃げ場があったことが幸せでした。たくさんの方に協力してもらいながら、子育ても家事も仕事も楽しめる暮らしとなりますように・・・